鞍壺
くらつぼ
名詞
標準
文例 · 用例
当然そこが血の出所でなければならぬと思われたのに、肝腎な脇腹には一向それらしい傷跡すらも見えなくて、全然予想以外の丁度鞍壺に当る内股のところから、それも馬乗り袴を通して、ベっとりと疑問の生血が滲み出ていましたので、愈々いぶかりながら見調べると、事実はますます出でてますます不思議!
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
ただちに馬の鞍壺を見改めると、愈々出でて愈々奇怪!
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
あの黒住の旦那様が、昔宇都宮藩で御同役だったとかいう市毛の旦那様と二人して、ゆうべこっそり手前を訪れ、あの毒蛇を鞍壺に仕掛けるよう、三十両の小判の山を積んで、手前を欲の地獄に陥し入れたのでござります。
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
当然そこが血の出所でなければならぬと思われたのに、肝腎な脇腹には一向それらしい傷跡すらも見えなくて、全然予想以外の丁度鞍壺に当る内股のところから、それも馬乗り袴を通して、べっとりと疑問の生血が滲み出ていましたので、愈々いぶかりながら見調べると、事実はますます出でてますます不思議!
— 第三話 後の旗本退屈男 『旗本退屈男』 青空文庫
』斯く云つて少女は荒々しく(in great wrath)身を轉らし、禮もそこ々々(with scant ceremony)御前を立ち去り、鞍壺に身を投げて(flung herself into the saddle)供を後ろに(followed by her servant)駈け去つた。
— KING ARTHUR'S ROUND TABLE 『アーサー王物語』 青空文庫
彼はすぐに鞍壺からひらりと降り立って、姫の前にうやうやしく式代した。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
二人の槍の穂先が撓って馬と馬の鼻頭が合うとき、鞍壺にたまらず落ちたが最後無難にこの関を踰ゆる事は出来ぬ。
— 夏目漱石 『幻影の盾』 青空文庫
鞍壺に延び上ったるシーワルドは体をおろすと等しく馬を向け直して一散に城門の方へ飛ばす。
— 夏目漱石 『幻影の盾』 青空文庫