楽声
がくせい
名詞
標準
文例 · 用例
「打毬楽」「納蘇利」などの奏楽がある上に、右も左も勝つたびに歓呼に代えて楽声をあげた。
— 蛍 『源氏物語』 青空文庫
生全体の細かい強い震動が、大奏楽の Finale の楽声のやうに、雄々しく狂ほしく互に打ち合つて、もう一歩で回復の出来ない破滅を招くかとも思はれるその境を、彼の心は痛ましくも泣き笑ひをしながら小躍りして駈けまはつてゐた。
— 有島武郎 『An Incident』 青空文庫
花瓦斯のほそきなげきに絹帷紅き天鵝絨、散り藉ける花束のくづ、おぼろげに室は青みて、うらわかき騎士が拍車の音の乱れ、舞の足ぶみ、頬のほてり、かろきさざめき、髪あぶら、あはれ、楽声、あたたかに交りみだれてゆめのごと燻りただよふ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
第一の人 何ぢや、賑かな楽声ぢや。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
楽声快活に、敬虔に、やがて急激に、やや誘惑的に、更にまた憂鬱に。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
門内の楽声更に壮んになる。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
門内楽声(たとへば独逸国リヒヤルト、ストラウスがツアラツストラの曲の末段の如き)嵐の如く高まる。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
楽声、沙門、伊留満等の祈祷唱讃の声、諸人の驚き叫ぶ声、紛々囂々ととだえとだえにひびらぐ。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫