苦心談
くしんだん
名詞
標準
account of the hardships one has encountered
文例 · 用例
そんな、苦心談でもって人を圧倒して迄、お義理の喝采を得ようとは思わない。
— 太宰治 『自作を語る』 青空文庫
僕はいまの人の小説はあまり読まない事にしているので、君の小説もたった一つしか拝見した事はないのだが、何でも、新型の飛行機を発明してそれに載って田圃に落ちたとかいう発明の苦心談、あれは面白かった。
— 太宰治 『やんぬる哉』 青空文庫
白川が苦心談を聞いてゐるのさへ座に堪へない程であつた。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
苦心談、立志談は、往々にして、その反対の意味の、自己|吹聴と、陰性の自讃、卑下高慢になるのに気附いたのである。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
この頑丈の鉄仮面をかぶり、ふくみ声で所謂創作の苦心談をはじめたならば、案外荘重な響きも出て来て、そんなに嘲笑されずにすむかも知れぬ、などと小心|翼々、臆病無類の愚作者は、ひとり淋しくうなずいた。
— 太宰治 『鉄面皮』 青空文庫
お互いに無事を喜び合い、今までの苦心談を語り合い、この上は如何なる事があっても女の情に引かされまい。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
すっかり喜んでしまって、自分の苦心談や、研究の内容なぞをドン底まで喋舌ってしまう。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
どうかした時には師匠能静氏から指導された時の有益な苦心談などを述懐まじりで話して行く事もあったらしい。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫