しとど
しとど
副詞
標準
dripping wet
文例 · 用例
馬は背、腹の皮を弛めて汗もしとどに流れんばかり、突張った脚もなよなよとして身震をしたが、鼻面を地につけて一掴の白泡を吹出したと思うと前足を折ろうとする。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
教授は不似合な山高帽子を丁寧に取って、煤けきったような鈍重な眼を強度の近眼鏡の後ろから覗かせながら、含羞むように、「ライプチッヒから本が少しとどきましたから何んなら見にいらっしゃい」 と挨拶して、指の股を思い存分はだけた両手で外套をこすり続けながら忙しそうに行ってしまった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
枕紙に手をやってみるとはたしてしとどに濡れていた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
母が母らしく立ち上がって無作法を責めながら髪をけずり衣物を整えに二階にやろうとするのを、貴女は椅子から立ち上がりさえして押しとどめた。
— 有島武郎 『フランセスの顔』 青空文庫
蓮月 ――(手を挙げて青年の言葉を押しとどめ)理屈でもって実行を妨げないこと。
— 岡本かの子 『ある日の蓮月尼』 青空文庫
さてもその夜は暑かりしや、夢の恐怖に悶えしや、紅裏の絹の掻巻、鳩尾を辷り退いて、寝衣の衣紋崩れたる、雪の膚に蚊帳の色、残燈の灯に青く染まって、枕に乱れた鬢の毛も、寝汗にしとど濡れたれば、襟白粉も水の薫、身はただ、今しも藻屑の中を浮び出でたかの思がする。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
しかしとどのつまり出刃打ちが殺したになって、予審は終結した。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
極度の緊張に脳貧血を起していったん意識を喪い、再び恢復して来たときの復一の心身は、ただ一|箇の透明な観照体となって、何も思い出さず、何も考えず、ただ自然の美魅そのままを映像として映しとどめ、恍惚そのものに化していた。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
作例 · 標準
突然の土砂降りに遭い、彼は全身しとどに濡れてしまった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
汗で服がしとどになり、不快だった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
犬は水たまりで遊んだ後、しとどになった体で家に入ろうとした。
幻辭AI · gemini-2.5-flash