経王
きょうおう
名詞
標準
文例 · 用例
いわんや風土習慣ことごとく異なったインドで、しかも西暦紀元前九百五十年より八十六万七千百二年の間にあったという遠い昔のラーマーヤナ事件を、今日他国人どもがかれこれ評するは野暮の至りだが、このような者を宗旨の経王として感涙を催すインド人も迂闊の至り。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
寺の境内にある銀杏の樹のそばの鐘つき堂のあたりで彼は近在帰りの会葬者に別れ、経王石書塔の文字の刻してある石碑の前では金兵衛にも別れた。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
経王石書塔の文字の刻してある石碑が立つあたり、古い銀杏の樹のそばにある鐘つき堂の辺、いずれも最初の敬義学校の児童が遊び戯れた当時を語らないものはない。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
斎藤月岑の東都歳事記に挙ぐるものを見れば、谷中日暮里の養福寺、経王寺、大行寺、長久院、西光寺等には枝垂桜があり、根津の社内、谷中天王寺と瑞輪寺には名高い八重咲の桜があったと云う。
— 永井荷風 『上野』 青空文庫
一昨年の春わたくしは森春濤の墓を掃いに日暮里の経王寺に赴いた時、その門内に一樹の老桜の、幹は半から摧かれていながら猶全く枯死せず、細い若枝の尖に花をつけているのを見た。
— 永井荷風 『上野』 青空文庫
明治二十二年己丑十一月森春濤の葬儀が日暮里村の経王寺に営まれた時枕山はその女かねに手を引かれて往ったほどで、耳目も漸く官を失おうとしていた。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫