悍気
かんき
名詞
標準
文例 · 用例
血を見たせいか、馬もにわかに悍気を震い立って、まるで雪神でも翔けるように、雪風を裂いて走った。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
悍気の立った生※も磨墨も、水面から立つ狂風に吹かれると、たてがみを強く振って、いななきぬいた。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
陣外の馬匹までが、ここでは実にやかましいほど、悍気を立てていなないている。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫
「叱っ……馬を嘶かすな」 馬の口輪でも外したか、悍気を立てた一頭が、耳、鬣を打振って、高く嘶いた。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫
細長い厩舎には、悍気のつよい軍馬がたくさん顔をそろえていた。
— 第四分冊 『新書太閤記』 青空文庫
ひとたび、悍気にまかせた馬は容易にその本能を制しきれないもののように、頻りに土を蹴って足掻いた。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
軽い速度になって、しきりと鬣を振りながら、白い泡を口輪に吹いているのは、なお馬が悍気をしずめていない表情である。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
また兜は、二ノ谷と銘のある明珍造りの輝かしき物であり、馬も大鹿毛の雄で、よほど優駿であったろうことは、朝からの戦闘に耐えて、なおよく湖上遠くに出て、さかんに水を掻いている悍気を見てもわかることだった。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫