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杳然

ようぜん
形容動詞
1
標準
文例 · 用例
逝く水は日夜を捨てざるを、いたずらに真と書き、真と書いて、去る波の今書いた真を今|載せて杳然と去るを思わぬが世の常である。
夏目漱石 虞美人草 青空文庫
舟は杳然として何処ともなく去る。
夏目漱石 薤露行 青空文庫
梧堂は杳然寸耗なし。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
杳然寸耗なし」である。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
市川はいかが、折ふし参られ候哉、近比杳然に候。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
大和魂はそれ天狗の類か」 主人は一結杳然と云うつもりで読み終ったが、さすがの名文もあまり短か過ぎるのと、主意がどこにあるのか分りかねるので、三人はまだあとがある事と思って待っている。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
余ニ問ウ何ノ意ゾ碧山ニ棲ムト笑ッテ答エズ心自ラ閑ナリ桃花流水|杳然トシテ去ル別ニ天地ノ人間ニ非ザル有リ「アハハハ」と笑って老人はそのままゴロリと横になった。
国枝史郎 蔦葛木曽棧 青空文庫
且つ夫れ板垣伯は、始めて自由黨を組織するに方てや、其の名望勢力實に一時を曠うするの概ありしも、年所を經るに從つて漸く尾大不掉の状を示し、終に殆ど國民の記憶より遠ざかりて、杳然聞ゆるなきの末路に立てり。
鳥谷部春汀 明治人物月旦(抄) 青空文庫
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