撤する
てっする
動詞
標準
文例 · 用例
其の時忽然として心が俄に開け朗かになつて、門※を開き屏障を撤するが如くになり、それから頴悟異常になつたと云ふでは無いか。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
浚稽山の陣を撤するときは夜が暗かったのに、またも月が明るくなりはじめたのである。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
宴を撤するに先だつて総踊と云ふことがある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
更に天才と凡人とを、試煉と勞苦とに喘ぐ人間共通の運命に照し出す時、彼等は温情を以て涙と笑とを分かつ可き兄弟として、能力の大小強弱による相互の墻壁を撤する。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第一』 青空文庫
ボシュエが言ったようにわれわれは営を撤する。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
逮夜の坊さんが帰ったのは薄明るいうち、抹香臭い一式の道具を撤すると、もう酒肴が運び込まれ、芸子が呼出されて、二階は一瞬にして、酒神の狂宴と変ります。
— 春宵 『銭形平次捕物控』 青空文庫