矮短
矮短
名詞
標準
文例 · 用例
矮短な体をズボン吊で締めて、メリケン刈の頭へ蟇の疣みたいに光る鳥打帽を乗っけている。
— 吉川英治 『かんかん虫は唄う』 青空文庫
」 伯は、トム公という名と、あの晩の――右脚爆失以来である路上の襲撃者であった矮短なかんかん虫に、すくなからず興味をもった様子である。
— 吉川英治 『かんかん虫は唄う』 青空文庫
あッと、豆菊と付添の二人が、窓を開けたとたんに、トム公の矮短なからだは、激流する空気の震音の中を、もんどり打って、線路堤から沼地らしい蘆のなかに振り飛ばされていた。
— 吉川英治 『かんかん虫は唄う』 青空文庫
生れつき余り丈夫でもない肉体なのに、この矮短な一|小躯をもっても、それに剋って来られただけの意志を作っておいてくれた幼少時の貧苦と、世路の逆境にも、沁々ありがたさを思う日もあった。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
――だから余り燈火に近くすわると、そのうすい髪の根までが透いて見えて、この体躯|矮短にして胆斗のごとき奇男児の風貌、いやが上にも魁偉に見せ過ぎる嫌いがある。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
」 と、その矮短な影を透かして見ました。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
――といったところで、それはこのたびの事件とは、まったく縁のない、別のものでございますが」「おお、ではそちの手であれを解くか」「明らさまに申し上げましょう、しばらく、そこにお待ちを願います」 こういうと侏儒は、矮短な身を起こして、孫兵衛の死骸のそばへ歩いていった。
— 鳴門の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫