無理遣り
むりやり
名詞
標準
文例 · 用例
」 と云って、正吉が帰途を促がしたのは余程の前で、それを、無理遣りに一人帰してからさえ、早や久しい。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
』私は、そして、無理遣りに彼女の頬を両腕の中におさえた。
— 渡辺温 『ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった』 青空文庫
とゞ、無理遣りに手を載せさせられた彼れの方へ、問答の急所々々で、盤が微かな音まで立てゝかしいだので、彼れは殆ど顔の色までも変へた。
— 坪内逍遙 『斎藤緑雨と内田不知菴』 青空文庫
無理遣りに計劃的な犯罪として調書を作り上げて検事局へ廻わしたもので、新聞記事もその調書の通りに書いておいたが、それでも後家のお近婆さんだけは大目玉を喰っただけで無罪放免をされた。
— 夢野久作 『山羊髯編輯長』 青空文庫
吾人は「早稲田文学」と共に、少くとも国民大の思想を得んことを希望すること切なりと雖、世の詩歌の題目を無理遣りに国民的問題に限らんとする輩に向ひては、聊か不同意を唱へざる可からず。
— 北村透谷 『国民と思想』 青空文庫
けれど大磐石の如く腰を据ゑた儘、更に体を動かさうとも為ないので、仕方がなく、傍の二三人に助勢させて、無理遣りに其席から引摺上げた。
— 田山花袋 『重右衛門の最後』 青空文庫
そして竹内久一先生が一番先に彫刻の先生になっていたが、竹内先生が無理遣りに父に先生になれと言って交渉して来た。
— 高村光太郎 『回想録』 青空文庫
無理遣りに小さい実験台をいくつか押し込んで、三つの実験がやっと同時にやれるようになったのであるが、椅子などは邪魔になって仕様が無い。
— 中谷宇吉郎 『実験室の思い出』 青空文庫