ベロナール
ベロナール
名詞
標準
veronal
文例 · 用例
刑事が小卓のコップのそばにあった紙袋を取り上げて調べているのをのぞいて見たら、袋紙には赤インキの下手な字で「ベロナール」と書いてあった。
— 寺田寅彦 『B教授の死』 青空文庫
「おととしの秋ね、ベロナールで自殺しちゃったの」 自殺というのはじぶんで死ぬことだというくらいは、久助君にだってわかるが、そんなことばを使うものは、久助君のいままでのなかまには、ひとりもいなかったので、ただもう、めんくらうばかりである。
— 新美南吉 『嘘』 青空文庫
わたしは酒を止め、昼は蝶を採り、夜はベロナールの利くまでの間母に音楽を聴かせた。
— 牧野信一 『わが生活より』 青空文庫
……ベロナールを粉にして、そつと徳利の中に溶し込んでやつたのよ。
— 牧野信一 『南風譜』 青空文庫
――それで、ベロナールなんて持つてゐたんだね。
— 牧野信一 『南風譜』 青空文庫
……ご自由に……ベロナールであろうと、モルヒネであろうと勝手に用いて、なるたけ楽に天国へ行くんだね」 と、P氏は笑って呟いたが、矢張り苦になるところから、その日になると、――時間だけはグット遅くらせて――彼女の部屋へ行ってみた。
— 国枝史郎 『世界の裏』 青空文庫
つまり何だな、某氏は今暁、ベロナールを飲下して自殺をはかつたが、幸少量であつたため苦悶中発見され、手当を受けた、と。
— 武田麟太郎 『日本三文オペラ』 青空文庫
――この原稿を君がベロナールを飲む前に送つて置くぜ、ありがたう、これで、特種料で一ぱいのめるわけだ」 白足袋の指導者は、それから二通の遺書を書いた。
— 武田麟太郎 『日本三文オペラ』 青空文庫
作例 · 標準
そのミステリー小説では、被害者の遺体から致死量のベロナールが検出され、密室殺人の謎が深まった。
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ベロナールは20世紀初頭に広く普及した睡眠薬だが、副作用や依存性が強いため、現在は使われていない。
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古い医学資料には、不眠症に悩む患者に対してベロナールを処方した際の記録が残されている。
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