表高
おもてだか
名詞
標準
文例 · 用例
」「どういたしました」「浅野は、表高こそ五万三千石だが、ほかに塩田が五千石ある。
— 菊池寛 『吉良上野の立場』 青空文庫
「二村、天山の二カ村が表高百五十石に御座りまするが、内実は二百石に上りまする」「ほかに表高二百石の処は無いか」「ほかには寸地も……」「ウム。
— 夢野久作 『名君忠之』 青空文庫
滴るばかりの緑の野に金光|赫々として輝くファラオの武威は、各王の死後の住家である三角塔と、その功績を地表高く捧ぐる方光塔と、迷い入ったら最後、容易に出口を発見し得ぬという螺堂を生みました。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
そのはず、二十一郡六十八万石とは言うが、それは表高で、実収は百八十万石とのこと。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
鶴岡へきてからの酒井家は表高が十四万石、それに幕府から二万五千石を預けられた十六万五千石の収入のわけであったのだが、南北十里、東西数里にわたるこの庄内平野からの上納米は、酒田の本間家の持ち分を除くにしても、十六、七万石や二十万石のものではなかったであろう。
— 佐藤垢石 『姫柚子の讃』 青空文庫
天下の老中の屋敷に腰元一人増えたところで、何んの問題もないわけですが、越前守は衆に先んじて、改革の趣意を徹底させる勇猛心で、表高六万石、実収十五万石という堂々たる大名であり乍ら、その生活は二三千石の旗本にも及ばぬ質素なものだったのです。
— 野村胡堂 『礫心中』 青空文庫
しかもそれに次いで、「来年度から家中の士一統の扶持が表高どおりに復帰するそうだ」 という噂さえ立ち始めた。
— 山本周五郎 『彩虹』 青空文庫
当時はどこの藩でも、家臣の扶持は表高と実収とにかなりの差があった、是は食禄が米を単位にしているため、米価の高低に支配されるからで、平均している時でも実際の扶持は二割ないし三割は表高より少ないのが例になっていた。
— 山本周五郎 『彩虹』 青空文庫