蚕食
さんしょく
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
encroachment
文例 · 用例
こうしてわが大東京はだらしなく無設計に横に広がって、美しい武蔵野をどこまでもと蚕食して行くのである。
— 寺田寅彦 『写生紀行』 青空文庫
そこは旧い貧民街を蚕食して、モダンな住宅が処々に建ちかかっているという土地柄だった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
まだ其時は政宗が会津を取って居たのでは無いが、徳川氏からの使の旨で秀吉の意を猜すれば、秀吉は政宗が勝手な戦をして四方を蚕食しつつ其大を成すを悦ばざること分明であることが、政宗の※中に映らぬことは無い。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
弥兵衛等もただ者で無いとは見て取ったろうが、関白の威光を背中に背負って居るのであるから、先ず第一に朝命を軽んじて早く北条攻に出陣しなかったこと、それから蘆名義広を逐払って私に会津を奪ったこと、二本松を攻略し、須賀川を屠り、勝手に四隣を蚕食した廉々を詰問した。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
翌日|復弥兵衛等は来って種々の点を責めたが、結局は要するに、会津や仙道諸城、即ち政宗が攻略蚕食した地を納め奉るが宜かろう、と好意的に諭したのである。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
彼を絶えず照した怠惰の青い太陽は、天が彼に賦与した才能の半ばを蒸発させ、蚕食した。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
西軍の勢力は、日々に加わり、東軍は多くの陣地を蚕食されて、残すは只相国寺と、勝元邸だけとなった。
— 菊池寛 『応仁の乱』 青空文庫
儂熟針を蓄え、優勝劣敗、弱肉強食、日々に鷙強の欲を逞しうし、頻りに東洋を蚕食するの兆あり、しかして、内我が国外交の状態につき、近く儂の感ずる処を拳ぐれば、曩日に朝鮮変乱よりして、日清の関係となり、その談判は果して、儂ら人民を満足せしむる結果を得しや。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
作例 · 標準
強国の領土蚕食は、小国の主権を脅かす深刻な問題だ。
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企業の不正な手段による市場蚕食は、公正な競争を阻害する。
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環境破壊は、静かにしかし確実に、自然を蚕食している。
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