買い被る
かいかぶる
動詞
標準
文例 · 用例
けれども、こういう研究は私にはちょっと臆劫でなかなかできないから、歴史的に行くと自然現代の西洋作家を実価以上に買い被る弊が起りやすいだろうと思います。
— 夏目漱石 『創作家の態度』 青空文庫
読書界の真面目な内容のあるこの落ち付き振りは(但し夫をあまり買い被ることは出来ないが)、二つの方向を取って現われた。
— 戸坂潤 『読書法』 青空文庫
だが、之だけの現象を基礎にして、機械的概念であるこの大衆を買い被ることは、甚だ危険なことだ。
— ――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判 『日本イデオロギー論』 青空文庫
己れの容貌を買い被るのも女であるし、己れの容貌をよく知るのも女であります。
— 如法闇夜の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
その形整美がいいので、どうも日本人は買い被るのであります。
— 北大路魯山人 『芸術的な書と非芸術的な書』 青空文庫
中国の書は例えば容貌風采のよい人間のようなもので、その人間は果してどれ位偉い人か偉くないかは別として、畢竟、容貌風采がよくて出でたちがよいと、とかく買い被る。
— ――美の認識について―― 『習書要訣』 青空文庫
形が整って、容貌風采がよくなると、人間の場合でも、一見買い被るように、その書もまた買い被り易いのであります。
— ――美の認識について―― 『習書要訣』 青空文庫
「恐れ入ったネ、八五郎親分、あれを御存じとは」 何の事やら判りませんが、素人衆が岡っ引を買い被るのがこっちの付け目で、八五郎はこんな相手から、事件の端緒を引出すことにかけては、親分の銭形平次に、毎々舌を巻かせるほどの名人だったのです。
— 三千両異変 『銭形平次捕物控』 青空文庫