虧
虧
名詞
標準
文例 · 用例
半虧の月が、東の空に浮んでいた。
— 太宰治 『花火』 青空文庫
腹の立った事さえござんせん、余り果報な身体ですから、盈れば虧くるとか申します通り、こんな恐しい目に逢いましたので。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
天明六、丙午年は、不思議に元日も丙午で此の年、皆虧の蝕があつた。
— 泉鏡太郎 『間引菜』 青空文庫
※銀 侈をを免れ難く、莱石 虧を成し易し。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
ああ、ここにもまた、希望の一つが虧け落ちてしまったのだ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
」 別当はぎょろっとした目で、横に主人を見て、麦箱の中に抛り込んである、縁の虧けた轆轤細工の飯鉢を取って見せる。
— 森鴎外 『鶏』 青空文庫
詳しく申し上げると長くなりますが……」 =暗転= 笠松博士には、前々から、観念構成|虧欠症性の微弱徴候と、誇大妄想狂的精神欠陥とがあった。
— 佐左木俊郎 『三稜鏡』 青空文庫
但だ、予は従来の一切の経験を以て、わが不動の信念の礎とせんには、尚ほしかすがに一点の虧隙あるを感ぜざるを得ざりし也。
— 綱島梁川 『予が見神の実験』 青空文庫