山鶯
やまうぐいす
名詞
標準
文例 · 用例
山鶯が啼く、音色のよいのも啼く、水音をさがして飲む、腹いつぱい、うまい/\、山鳴、山霧、さびしいな、何となく心細い。
— 種田山頭火 『道中記』 青空文庫
谷々に啼く山鶯の声のみ長閑なり。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
頂上にのぼり尽きたるは真午の頃かとぞ覚えし、憩所の涼台を借り得て、老畸人と共に縦まゝに睡魔を飽かせ、山鶯の声に驚かさるゝまでは天狗と羽を并べて、象外に遊ぶの夢に余念なかりき。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
山鶯もしきりになく。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
ただ孵化り立の蝉が弱々しく鳴くのと、山鶯の旬脱れに啼くのとが、断れつ続きつ聴えるばかり。
— 江見水蔭 『怪異黒姫おろし』 青空文庫
山鶯だの、閑古鳥だのの元気よく囀ることといったら!
— 堀辰雄 『美しい村』 青空文庫
昨年の夏は佐藤定吉博士の開かれた淺間山麓の夏期修養會の禮拜に家族一同と共に出席して、落葉松の木蔭で山鶯の聲に和して高らかに讃美歌を歌ひ、心地よい凉風のまに/\頭の上に散りかゝる落葉松の葉をはらひもせず佐藤先生の熱烈な説教を心をこめて聞いてゐました。
— 土井八枝 『隨筆 藪柑子』 青空文庫
その日が来たら秀吉に暇をねがって、せめて人命を終る前の一年なりとも、高野にのぼって山鶯の声でも聞きたいものと念願していたからである。
— 吉川英治 『黒田如水』 青空文庫