繰返
繰返
名詞
標準
文例 · 用例
長塚がこないを十何遍繰返したろう。
— 伊藤左千夫 『正岡子規君』 青空文庫
此詩集に収められた歌と、歌に対する石川君の信念と要求とに関する感想文とを繰返して読んで見ると、吾輩などの、歌に対する考や要求とは少なからず違つて居るから、其感想文には直に同感は出来ない。
— 伊藤左千夫 『『悲しき玩具』を読む』 青空文庫
ねえやはいままでどいってた……」 と繰返し云って、袖にすがられた時に、無口なお松は自分を抱きしめて、暫くは顔を上げ得なかったそうである。
— 伊藤左千夫 『守の家』 青空文庫
悲しくもあり楽しくもありというような状態で、忘れようと思うこともないではないが、寧ろ繰返し繰返し考えては、夢幻的の興味を貪って居る事が多い。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
お互に自分で話し出しては自分が極りわるくなる様なことを繰返しつつ幾町かの道を歩いた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
外へ出る気にもならず、本を読む気にもならず、ただ繰返し繰返し民さんの事ばかり思って居る。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
茄子畑の事や棉畑の事や、十三日の晩の淋しい風や、また矢切の渡で別れた時の事やを、繰返し繰返し考えては独り慰めて居った。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
しかし、なおこの上に舞踊のうちにあらわれている「いき」の芸術形式を考察することは、おそらく「いき」の自然形式の考察を繰返すことに終るか、またはそれに些少の変更を加えるに止まるであろう。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫