氷華
ひょうか
名詞
標準
文例 · 用例
流氷はんのきの高き梢より、 きらゝかに氷華をおとし、汽車はいまやゝにたゆたひ、 北上のあしたをわたる。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 五十篇』 青空文庫
並木道へはいって行って、伸子は氷華の森のふところ深く迷いこんだ思いがした。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
きのうまでは、ただ裸の黒い枝々に凍った雪をつけていた並木道の菩提樹が、けさ見れば、細かい枝々のさきにまで繊細な氷華を咲かせている。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
氷華につつまれた菩提樹の一本一本がいつもより大きく見え、際限ないきらめきに覆われて空の眩ゆさとまじりながら広い並木道の左右から撓みあっている。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
太陽の熾な火熱の中に、燃えながら咲き満ちる華の美しさではなくて、沈黙の月光が、蒼白く顫える中に燦めく氷華のような美くしさなのである。
— 宮本百合子 『渋谷家の始祖』 青空文庫
灯がついたら銀のピラピラが樅の枝で氷華のように輝いてキレイだ。
— ――あちらのクリスマス―― 『モスクワの姿』 青空文庫
夜がふけて見たら、サモワールの湯気で、凍った窓にそれよりもっと綺麗な氷華がついていた。
— ――あちらのクリスマス―― 『モスクワの姿』 青空文庫
星巌の集に「戊戌元旦、塩田|士鄂、天野九成、大沼子寿、門田堯佐、名越士篤、三上九如、服部士誠ト同ジク不忍池上酒巻立兆ガ氷華吟館ニ燕集ス。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫