麁朶
麁朶
名詞
標準
文例 · 用例
第一この塔婆だって、束にして、麁朶、枯葉と一所に、位牌堂うらの壁際に突込んであったなかから、(信女)をあてに引抜いて来たッてね、下足の若い衆が言っていました。
— 泉鏡花 『露萩』 青空文庫
海苔を収むるがために「ひゞ」と称して麁朶を海中に柵立するところも、またこの砂洲の上もしくはその附近の地なり。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
おつぎは竈の下から火のついてる麁朶を一つとつて手ランプを點けて上り框の柱へ懸けた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
お品は鍋の蓋をとつて麁朶の焔を翳しながら「こりや芋か何でえ」と聞いた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
お品は麁朶を一燻べ突つ込んだ。
— 長塚節 『土』 青空文庫
其の間には與吉を背負つて林の中を歩いて竹の竿で作つた鍵の手で枯枝を採つては麁朶を束ねるのが務であつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
勘次が其の鍛錬した筋力を奮つて居る間におつぎはそこらの林から雀枝を採つて小さな麁朶を作つて居る。
— 長塚節 『土』 青空文庫
「赤え灰に成つてな、火も弱えのさ、そんでも麁朶買あよりやえゝかんな、松麁朶だちつたつてこつちの方へ來ちや生で卅五|把だの何だのつて、ちつちえ癖にな、俺らやうな婆でも十|把位は背負へんだもの、近頃ぢや燃す物が一|番不自由で仕やうねえのさな」婆さんはいつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫