軽羅
けいら
名詞
標準
文例 · 用例
女も美しい軽羅を着てベンチへ居並ぶ。
— 寺田寅彦 『旅日記から(明治四十二年)』 青空文庫
風を祭る、軽羅の女体に祭る。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
」するとそのとき、ふきあげのかたわらにもう一つのふきあげのように白いしぶきの柱が立ちあがって、それが軽羅の幕のように広がって流れゆき、池の水ぎわにいたるとその幕のなかから昼間の老人が現われてきた。
— 新美南吉 『おしどり』 青空文庫
彼はまた、ブレヱクの幻惑に酔ひ、ゴッホの向日葵と燃焼し、ダビンチを愛敬し、グレコを恋慕し殊に私の愉快に感じたのは、操吉が、狐のやうに尖つた顔で絹扇をばた/\動かし、桃色と幻青との軽羅の女を、好んで描く女画家マリー・ローランサンに惚てゐることだ。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
アペルレースの諸画中もっとも讃えられたは嬌女神アフロジテーが海より現じた処で、その髪より搾り落す水滴が銀色の軽羅様にその体に掛かる。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
……その間に軽羅を纏うた数十名の美人が立ち交って、愉快な音楽に合わせて一斉に舞踏を初める……。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
作家にとつての、世上の諸々の現象は、作家の様々な夢を、在り得べく色彩る軽羅だ。
— 牧野信一 『新興芸術派に就いての雑談』 青空文庫
妖艶な臙脂色の夜会服を纏ったスペイン人らしい若い女や、朱鷺色の軽羅をしなやかに肩にかけている娘、その他黄紅紫白とりどりに目の覚めるような鮮な夜会服を着た美しい女達が、どの卓子にも見えていた。
— 松本泰 『日蔭の街』 青空文庫