忍びやか
しのびやか
形容動詞名詞
標準
stealthy
文例 · 用例
と忍びやかにうち出でさせ給へるに、言の葉なくて、玉枝の君はうち笑みおはしぬ。
— 萩原朔太郎 『花あやめ』 青空文庫
そうして運命の一万数千日の終りの日が忍びやかに近づくのである。
— 寺田寅彦 『津浪と人間』 青空文庫
あの、失礼でございますが、お店へあがりましてもよろしゅうございましょうか」と、女は忍びやかに云った。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
あるいはまたあたり一面にわかに薄暗くなりだして、瞬く間に物のあいろも見えなくなり、樺の木立ちも、降り積ッたままでまた日の眼に逢わぬ雪のように、白くおぼろに霞む――と小雨が忍びやかに、怪し気に、私語するようにバラバラと降ッて通ッた。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
余は時雨の音の淋しさを知つて居る、然し未だ曾て、原始の大深林を忍びやかに過ぎゆく時雨ほど淋びしさを感じたことはない。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
とこうするうち、高田は殺され悪僕二人は酒を飲みに出行きたれば、時分は好しと泰助は忍びやかに身支度するうち、二階には下枝の悲鳴|頻なり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
其時|上手の室に、忍びやかにはしても、男の感には触れる衣ずれ足音がして、いや、それよりも紅燭の光がさっと射して来て、前の女とおぼしいのが銀の燭台を手にして出て来たのにつづいて、留木のかおり咽せるばかりの美服の美女が現われて来た。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
我が酒井と主税の姿は、この広小路の二点となって、浅草橋を渡果てると、富貴竈が巨人のごとく、仁丹が城のごとく、相対して角を仕切った、横町へ、斜めに入って、磨硝子の軒の燈籠の、媚かしく寂寞して、ちらちらと雪の降るような数ある中を、蓑を着た状して、忍びやかに行くのであった。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は忍びやかな足取りで、誰もいない夜の廊下を進んだ。
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忍びやかな物音に、夜中に目が覚めてしまった。
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その猫は忍びやかな動きで鳥に近づき、一瞬で捕らえた。
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