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糸底

いとぞこ
名詞
1
標準
bottom rim of earthenware cup
文例 · 用例
」 と糸底を一つ撫でて、「その言分というのは、こうだ。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
……ふと心附いて、蟇のごとく跼んで、手もて取って引く、女の黒髪が一筋、糸底を巻いて、耳から額へ細りと、頬にさえ掛っている。
泉鏡花 薄紅梅 青空文庫
客なき卓に珈琲|碗置いたるを見れば、みな倒に伏せて、糸底の上に砂糖、幾塊か盛れる小皿載せたるもをかし。
森鴎外 うたかたの記 青空文庫
津田君がこう云った時、余ははち切れて膝頭の出そうなズボンの上で、相馬焼の茶碗の糸底を三本指でぐるぐる廻しながら考えた。
夏目漱石 琴のそら音 青空文庫
――なかなかいい」 裏には、薄く琺瑯のかかった糸底の中に茶がかった絵具で署名がしてあった。
宮本百合子 伊太利亜の古陶 青空文庫
いかに凄い糸切であるか、いかに巧みな糸底であるか、いかなる大名物、名物の茶入と比較されても遜色はないと信ずるほどの「良さ」を看取さるゝであらう。
小野賢一郎 やきもの讀本 青空文庫
【線の認識】 話が、つい糸底に落ちてしまつたが、實は形の全貌に及んでゐなかつた。
小野賢一郎 やきもの讀本 青空文庫
女中は默つて其の茶碗を取上げ注いだ茶をこぼしへあけて、糸底を改めると、老僧の言つた通り、糸底が少し缺けてゐた。
上司小劍 ごりがん 青空文庫
作例 · 標準
この茶碗は、糸底の削り方に作家の個性がよく表れている。
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陶芸家は、ろくろから作品を切り離す際にできる糸底の処理にまで神経を使う。
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骨董市で見つけた古い湯呑みの糸底には、作者の銘が彫られていた。
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高価な器は、テーブルを傷つけないように糸底が滑らかに仕上げられている。
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