整正
せいせい
名詞
標準
文例 · 用例
若い細君は軽快な洋装に水色ボンネツトをつけて、宝石の首飾をあたりに見せてゐたが、ふと此方を振向いた顔には、美しい眉と整正な輪廓と大きい黒い眼とがかゞやいた。
— 田山録弥 『犬』 青空文庫
一方描写に全力をあげると共に、一方排列と整正とに就いて深く考へなければならず、つぶさに製作力の貧弱なのを悲しんだ。
— 田山録弥 『小説新論』 青空文庫
リアリズムの整正、細緻、それと比べると、殆ど正反対な傾向を持つてゐる。
— 田山録弥 『動的芸術』 青空文庫
太く一気に吐いた呼吸のその見事さ、厚朴醇美の貴格ある整正。
— 横光利一 『詩集『花電車』序』 青空文庫
しかも軍人は規律の厳粛称呼の整正を以て自ら任ず、而して新聞記者を呼で新聞屋新聞屋といふ。
— 正岡子規 『従軍紀事』 青空文庫
一般知識階級の間に最も多く読まれた「哲学ノート」や「人生論ノート」を見る時、その独自な見解とその整正な表現との調和に、私は驚嘆する。
— 豊島与志雄 『三木清を憶う』 青空文庫
この整正な表現の故に、三木の独創性を見落してはならないと同様に、三木の熱情を見落してはならない。
— 豊島与志雄 『三木清を憶う』 青空文庫
整正を以てすべての目安とする、我が國の文學者には喜ばれぬ樣ですが、漱石晩年の作の方が遙かに、將來力を見せてゐます。
— 折口信夫 『好惡の論』 青空文庫