捗取
捗取
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標準
文例 · 用例
家族の者達が身近かにいて、縦令何等の世話を焼いてくれないでも、どの位|捗取ったろうなどゝ考えていてくれるなと思うと、もう私はそれが気懸りで思うように筆を運ばす事が出来なくなるのです。
— "Not till the sun excludes you, do I exclude you; 『●「或る女」巻頭のホイットマンの詩』 青空文庫
俊吉は捗取らぬ雪を踏しめ踏しめ、俥を見送られた時を思出すと、傘も忘れて、降る雪に、頭を打たせて俯向きながら、義理と不義理と、人目と世間と、言訳なさと可懐しさ、とそこに、見える女の姿に、心は暗の目は※として白い雪、睫毛に解けるか雫が落ちた。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
何しろ山霊感応あつたか、蛇は見えなくなり暑さも凌ぎよくなつたので気も勇み足も捗取つたが程なく急に風が冷たくなつた理由を会得することが出来た。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
何しろ体が凌ぎよくなつたゝめに足の弱も忘れたので、道も大きに捗取つて、先づこれで七|分は森の中を越したらうと思ふ処で、五六|尺天窓の上らしかつた樹の枝から、ぼたりと笠の上へ落ち留まつたものがある。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
それで、娘が再び眼を上げて華やかな顔色に戻ったとき、室内はただ明るく楽しいことが、事務的に捗取って行く宴座となった。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
――しかし、私はどんな感情が起って不意に私を妨げるにしても自分の引受けた若い二人に対する仕事だけは捗取らせなくてはならないのである。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
それで無いと、お話がどうも捗取りませんから……。
— 正雪の絵馬 『半七捕物帳』 青空文庫
一人前、顔だけ背負って歩行く工合で、何となく、坂路が捗取りません。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫