嫌わず
きらわず
表現副詞接続詞
標準
without discrimination
文例 · 用例
――山の草、朽樹などにこそ、あるべき茸が、人の住う屋敷に、所嫌わず生出づるを忌み悩み、ここに、法力の験なる山伏に、祈祷を頼もうと、橋がかりに向って呼掛けた。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
遊所に足を容るることをば嫌わず、物に拘らぬ人で、その中に謹厳な処があった。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
処嫌わずタタキつける。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
まったく猪や猿を突く料簡で、相手嫌わずに突きまくったんだから堪まりません。
— 槍突き 『半七捕物帳』 青空文庫
かれの顔や手先は所嫌わずに掻きむしられていた。
— 雷獣と蛇 『半七捕物帳』 青空文庫
ローラン・ダーヴィユーまた述べたは、かつてアラビヤのある港で、一水夫が灰一俵|とかいうものはこれを恣まにすれば所を嫌わず続出し、これを忍べば習い性となって決して暴かに出て来るものでない。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
馬の骨、鹿の角、人の骨、おシャリコウベ、それから蛇のぬけがら、いずれも不気味な品が雑然と所嫌わずに置いてあるのです。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
血に狂った男はまだ鎮まらないで、相手嫌わずに雪の中を追い廻すのですから、町の騒ぎは大変でした。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫