猟服
りょうふく
名詞
標準
文例 · 用例
空気銃を取って、日曜の朝、ここの露地口に立つ、狩猟服の若い紳士たちは、失礼ながら、犬ころしに見える。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
あまりに数多い、あれもこれもの猟犬を、それは正に世界中のありとあらゆる種属の猟犬だったのかも知れない、その猟犬を引き連れて、意気揚々と狩猟に出たはよいが、わが家を数歩出るや、たちまち、その数百の猟犬は、てんでんばらばら、猟服美々しく着飾った若い主人は、みるみる困惑、と見るうちに、すってんころりん。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
二人がしばらく話をしている中に、待合室の入口に、猟服にゲートルを巻き、大きな猟銃を肩に掛けた二人の紳士が現れた。
— 中島敦 『虎狩』 青空文庫
さういふなかには、肝腎の猟そのものよりも、甲斐々々しい猟服を着込むで霧の深い野路を口笛を吹きながら急ぐ、猟人らしい気持が好きで/\溜らぬ人達が少くなささうだ。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
」 杜から帰って来たらしい猟服のアルマンが一人這入って来た。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
それが黒い鍔広の帽子をかぶって、安物らしい猟服を着用して、葡萄色のボヘミアン・ネクタイを結んで――と云えば大抵わかりそうなものだ。
— 芥川龍之介 『葱』 青空文庫
青い猟服 前述の事件では、加害者が架空の人物を踊らせているが、ここでは加害者が架空の人物になっている。
— 久生十蘭 『悪の花束』 青空文庫
軍服まがいの空色の猟服を着、格子縞の鳥打帽をかぶった三十七、八の紳士で、婦人の知合いなのだとみえて、そっちへ行って向き合う座席に掛けた。
— 久生十蘭 『悪の花束』 青空文庫