島島
しましま
名詞
標準
文例 · 用例
ああこの影を曳く景色のなかでわたしの靈魂はむずがゆい恐怖をつかむそれは港からきた船のやうに 遠く亡靈のゐる島島を渡つてきたそれは風でもない 雨でもないそのすべては愛欲のなやみにまつはる暗い恐れださうして蛇つかひの吹く鈍い音色にわたしのくづれてゆく影がさびしく泣いた。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
商業商業は旗のやうなものである貿易の海をこえて遠く外國からくる船舶よあるいは綿や瑪瑙をのせ南洋 亞細亞の島島をめぐりあるく異國のまどろすよ。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
ああこの影を曳く景色のなかでわたしの靈魂はむずがゆい恐怖をつかむそれは港からきた船のやうに 遠く亡靈のゐる島島を渡つてきた。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
松島はあの通り岸から離れた島々のおもしろさであるのに、私達がこゝに見つけるものはむしろ岸に倚り添ふ島島の眺めであるのだから。
— 島崎藤村 『山陰土産』 青空文庫
髣髴たる海天に青螺のごとく浮いてゐる美しい島島の散在を望んでも、も早詩が胸から無くなつた。
— 嘉村礒多 『故郷に帰りゆくこころ』 青空文庫
入海を囲む岬と島島が一つより無き櫓の音を聞く 能登の和倉温泉での作。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
しかしその一族の子孫が今日の三宅島島民かというと全部がそうでもなく、部落ごとに風習の異なるものがあるそうだし、いくつかの神社とその祭礼の在り方からみると、祭神を異にする異部落民がいつからか合議して村の秩序をつくっていたことは明かのようだ。
— 消え失せた沙漠――大島の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
しかし、今日もなおアンコ風俗などに残っている大島島民の土俗の主流をなすものは、流人系統のものではない様だが、どうだろう。
— 消え失せた沙漠――大島の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫