男文字
おとこもじ
名詞
標準
man's handwriting
文例 · 用例
折釘のやうな男文字のなかに絲屑のやうな女文字もまじつてゐる。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
そうして家具家財はチャンとしているようであるが、その中で唯一つ金庫の蓋が開いて、現金と通い帳が無くなっているようす……その前に男文字の手紙が一通、読みさしのまま放り出してあるのを取り上げて読んでみると、あらかたこんな意味の事が書いてあった。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
折れ釘のような男文字のなかに糸屑のような女文字もまじっている。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
葉子はきょう一日に目まぐるしいほどあるたくさんの用事をちょっと胸の中で数えて見て、大急ぎでそこらを片づけて、錠をおろすものには錠をおろし切って、雨戸を一枚繰って、そこからさし込む光で大きな手文庫からぎっしりつまった男文字の手紙を引き出すと風呂敷に包み込んだ。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
棒の引き方、点の打ちぐあい、まるで二つが同じ人間の書いたほどに似ているぜ」「なるほどね、墨色までがそっくりでござんすね」「しかも、恒藤権右衛門家内といや、女でなくちゃならねえはずなのに、だれが書いたものか、この手紙はそっちの立て札の筆跡同様、れきぜんと男文字だよ」「ちげえねえ。
— 卍のいれずみ 『右門捕物帖』 青空文庫
男が女文字の女名前、女が男文字の男名前なぞいうのは古手で、この頃は邦文タイプライターを利用するのもある。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
かの國の人聞き知るまじくおもほえたれども、ことの心を男文字にさまを書き出して、こゝの詞傳へたる人にいひ知らせければ、心をや聞き得たりけむ、いと思ひの外になむめでける。
— 紀貫之 『土佐日記』 青空文庫
男文字の手紙も随分来る。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
作例 · 標準
例句
標準
kanji
作例 · 標準
例句