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小棚

こだな
名詞
1
標準
文例 · 用例
どうしたかと思う内に、鹿の子の見覚えある扱一ツ、背後へ縮緬の羽織を引振って脱いでな、褄を取って流へ出て、その薬鑵の湯を打ちまけると、むっとこう霧のように湯気が立ったい、小棚から石鹸を出して手拭を突込んで、うつむけになって顔を洗うのだ。
泉鏡花 註文帳 青空文庫
――君子は庖廚の事になんぞ、關しないで居たが、段々茶の間に成り、座敷に及んで、棚、小棚を掻きまはし、抽斗をがたつかせる。
泉鏡太郎 間引菜 青空文庫
流しもとの小棚に米浙笊、米浙桶、洗桶などが綺麗に洗はれて伏せてある。
伊藤左千夫 古代之少女 青空文庫
と、また、向うの壁と壁との隅、その高い上部にぶちつけた三角の小棚には何が恭々しく飾られてあったか。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
路次の中へ路次が通じて迷図のように紛糾した処には、一二年前まで私娼のいた竹格子の附いた小家が雑然と簷を並べていたが、今は皆禁止せられて、僅かに残った家は、造花屋と云う怪しい看板をかけて店の小棚に種種の造花を並べていた。
田中貢太郎 水魔 青空文庫
」 二畳の女中部屋の壁際にガラス鏡を飾り、小棚の上には安香油だの百合の花のレッテルの付いた白粉だの、鑵に入つた洗粉だのを並べ立てて居る。
眞山青果 茗荷畠 青空文庫
金博士の視線は、さっきから、飾窓の小棚にのせられてある洋酒の群像に釘づけになっている。
――金博士シリーズ・5―― 毒瓦斯発明官 青空文庫
之れは五尺程の押入小棚様の物出来、その中に飲食物、吸物、さしみ、口取、その外種々の種料より庖丁、爼板までも仕込みあり。
国枝史郎 血煙天明陣 青空文庫