銭取
ぜにとり
名詞
標準
文例 · 用例
そうそうは方図が無いと思ッてどうしても遣らなかッたらネ、不承々々に五十銭取ッてしまッてネ、それからまた今度は、明後日お友達同志寄ッて飛鳥山で饂飩会とかを……」「オホホホ」 この度は真に可笑しそうにお勢が笑い出した。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
小さい口銭取りなどして、小才の利く、世話好きの男である。
— 徳田秋声 『新世帯』 青空文庫
彼はそれで六銭取られたせいか、ようやく催促を断念したらしい態度になった。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
朝湯は十銭取ったらよかろうなどと云う説もあるが、これも実行されそうもない。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
お房の兄の米吉もその間に立って、金銭取引の中継ぎをしているらしい。
— 歩兵の髪切り 『半七捕物帳』 青空文庫
木戸銭取って見世物にしても、そんな口銭は上がるなり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
貧しい母を養おうとして、僅かな銭取のために毎日二里ほどずつも東京の市街の中を歩いて通ったこともある足だ。
— 島崎藤村 『足袋』 青空文庫
祖父母は屋敷内の畑を作り、小遣銭取りには少しばかりの蚕を飼って細々と暮しており、叔父はからだが弱い上に百姓が好きでないというので、主に呉服物や古着類の行商をして生計を立てていた。
— ――獄中手記―― 『何が私をこうさせたか』 青空文庫