届け物
とどけもの
名詞
標準
article to be delivered
文例 · 用例
途中さまざまの隙ざえで、爺どのもむかっぱらじゃ、秋谷鎮座の明神様、俺等が産神へ届け物だ、とずッきり饒舌ると、(受取りましょう、ここで可いから。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
「お宅へ届け物がすんで、あそこの路地を出たところで寿女さんに会ったんです。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
勉は名倉の母からの届け物と言って、鯣、数の子、鰹節などの包をお雪の方へ出した。
— 島崎藤村 『家(下巻)』 青空文庫
かれは白パンの大きな切れと冷たい子牛の肉を持って来て、これは検事さんからの届け物だと言った。
— SANS FAMILLE 『家なき子』 青空文庫
だからその妾の仮親の医師道有の孫道栄の時代になって迄、まだ祖父の頃に諸家から贈られた付け届け物の鰹節、蝋燭、半紙などを、みみッちく出しては使っていたそうである。
— 吉川英治 『美しい日本の歴史』 青空文庫
五 御老母にお届け物があって、そういって市左衛門が隠居所へとおったあと、菊枝が庭さきの落葉を掻いていると、「ちょっとここへ来てお呉れ」 と姑の呼ぶこえがした。
— 不断草 『日本婦道記』 青空文庫
それには、折よく、彼へ届け物の約束がある。
— 吉川英治 『松のや露八』 青空文庫
伊勢の荒木田|神主から届け物を頼まれて来て、城太郎の方は年暮から――お通はつい先頃から。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫