寄木
よせぎ
名詞
標準
wooden mosaic
文例 · 用例
その石段の両側には、土産物の寄木細工を売る店や、かういふ町に適当な小綺麗の小間物屋や、舶来煙草を飾つた店や、中庭に廻廊のある二層三層の温泉旅館が、軒と軒とを重ね合せて、ごてごてと不規則に並んで居る。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
櫻の梢は立派な寄木を遠い南の空に組み上げ私はたばこよりも寂しく煙る地平線にかすかな泪をながす。
— 宮澤賢治 『うろこ雲』 青空文庫
氷店、休茶屋、赤福売る店、一膳めし、就中、鵯の鳴くように、けたたましく往来を呼ぶ、貝細工、寄木細工の小女どもも、昼から夜へ日脚の淀みに商売の逢魔ヶ|時、一時鳴を鎮めると、出女の髪が黒く、白粉が白く成る。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫
譬へば寄木細工の如し。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
そが上に我が臚列する所の許多の小景は、われ自らこれを前後左右に排置して寄木の如くならしむるに由なし。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
寄木細工の広い廻り階段を導かれて登り、一つの部屋に到ると、開かれた扉から、その部屋の類なき壮麗さが全くぎらぎらと燦いて突然眼前に現われ、その豪奢な有様は予の目を奪い眩暈せしめたのであった。
— THE ASSIGNATION 『しめしあわせ』 青空文庫
そういうものを振り廻して、お前はお前の寄木細工を造り始めるのだ。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
だから、幾分寄木細工的な感ある現在のマルクス主義藝術論を解體して、政治的部分と藝術的部分とに還元し、これを明白に規定しなおす必要があると思うのである。
— 平林初之輔 『政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味』 青空文庫