ほうほうの体
ほうほうのてい
表現名詞
標準
scuttling (to escape in a panic, in shame, etc.)
文例 · 用例
使いをやって元の古い捲線を返してくれと云ってやったら、「あれは捨ててしまった」と云って、そうして何故かひどく不機嫌であったそうで、使いの者はほうほうの体で帰って来た。
— 寺田寅彦 『ラジオ雑感』 青空文庫
」と身体を反返り、涎をなすりて逸物を撫廻し撫廻し、ほうほうの体にて遁出しつ。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
そうしてほうほうの体で逃げ出さなければなりませんでした。
— 渡辺温 『四月馬鹿』 青空文庫
それでも、一度だけだが、板の間のことをその場で指摘されると、何ともいい訳けのない困り方でいきなり平身低頭して詫びを入れ、ほうほうの体で逃げ帰った借金取があったと、きまってあとでお辰の愚痴の相手は娘の蝶子であった。
— 織田作之助 『夫婦善哉』 青空文庫
対手が差配さんなり、稲荷は店請の義理があるから、てッきり剣呑みと思ったそうで、家主の蕎麦屋から配って来た、引越の蒸籠のようだ、唯今あけます、とほうほうの体で引退ったんで。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
横田君の仲間の数名の寮生も同時にリンチされ、これはほうほうの体で寄宿寮に逃げ込んでしまった。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
狼はほうほうの体で逃げ帰り、いまいましさうに、この事を仲間に告げました。
— 岸田國士 『カルナツクの夏の夕』 青空文庫
弘前の菩提寺で簡単な法要をすませたが、その席で伯母などからさんざん油をしぼられ、ほうほうの体で帰京した。
— 葛西善蔵 『死児を産む』 青空文庫
作例 · 標準
クレーム対応で顧客から二時間も激しく怒鳴られ、彼はほうほうの体で営業所へ逃げ帰ってきた。
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山道で突然現れた大きな猪に驚き、私たちは荷物もそこそこにほうほうの体で下山した。
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厳しい上司からの終わりのない質問攻めに耐えきれず、会議が終わるやいなやほうほうの体で退出した。
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