美田
びでん
名詞
標準
fertile, productive field
文例 · 用例
「俺が今死んだら貴様はドウするか、他人の厄介にならずに葬式が出来るか」 この言葉は平生、父が口癖のように云っている「子孫のために美田を買わず」という言葉と明らかに矛盾していたが、私はドチラも父の真情である事を知っていたので、わざと冷笑していた。
— 夢野久作 『父杉山茂丸を語る』 青空文庫
が、汎濫した欧化の洪水が文化的に不毛の瘠土に注いで肥饒の美田となり、新たに植樹した文明の苗木が成長して美果を結んだのは争えない。
— ――新文学の曙光―― 『四十年前』 青空文庫
それは空知川から水を引いて、江別、石狩に至るまでの蜒々二十何里という大灌漑溝を作るための工事で、一旦それが竣成すれば、その分派線一帯にかけて、何千町歩という美田が出来上る。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
「子孫の爲めに美田を買はず」といふ言葉も、俗習家には、ただ自己を空しくして、他の爲めに誠意を盡す意味に解せられてゐるが、それは單に公明正大を僞はる手段に過ぎない。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫
世人の所謂美田を買はないのは、國家民衆の爲めばかりでなく、子孫の爲めにも、空しく盡す樣な餘裕がないほどに、自己を充實させて置く必要があるからである。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫
この自己充實説は刹那主義に於いて最も充分に發揮せられるものであるから、自己の刹那に關係がない過去もしくは未來に於いて、何等の建設もしないのは、乃ち、却つて美田を買はない所以であつて、最も僞りのない公明正大だと、義雄は思ふ。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫
福田より蓮台にいたる間美田長し。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
吾家遺法人知否 我が家の遺法、人知るや否や、不爲兒孫買美田 児孫の為めに美田を買はず。
— 河上肇 『閑人詩話』 青空文庫
作例 · 標準
この地域は古くから美田が広がり、米どころとして知られている。
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先祖代々受け継がれてきた美田を守るため、若者たちが農業に従事している。
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美田に囲まれた村は、四季折々の美しい風景を見せてくれる。
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