独り神
ひとりがみ
名詞
標準
文例 · 用例
ヨブが霊界神秘の域に独り神と交わりて得たる黙示は、心なき友のためにかくも汚されんとするのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
パウロが「すでにわれ生けるにあらず基督我にありて生けるなり」といったように、肉的生命の凡てを十字架に釘付け了りて独り神に由りて生きんとするの情である。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
パウロがも早我生けるにあらず、基督我に在りて生けるなりと言つたやうに、肉的生命の全部を十字架の上に釘け終りて独り神によりて生きんとするの情である。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫
トルストイの性慾論より「結婚以前には多種多様の方法に依って、神及人類の為に直接尽すことが出来ても、結婚は活動範囲を制限して、独り神及び人類の本来の召使である子供の教養を切に要求させるにとどまる。
— 宮本百合子 『黄銅時代の為』 青空文庫
三|春の長閑なる、咲く花に囀る鳥は人工のとても及ばぬものばかりで、富者も貧者も共に享けて共に喜ぶ権利は異らない」 と説き、さらにまた、「この世の悪魔の店にあるものは何ものもみな相応の価があって売買されるが、価なしに得らるるものは独り神のみ」 と叫んでいる。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
此三柱の神は、皆|独り神成りまして、御身を隠し給いきと。
— 高木敏雄 『比較神話学』 青空文庫
「独り神」と云うは、他の諸神の男女両性に別るるに反して、此三神に此区別なきを云い、身を隠すとは、盖しその形体相貌を有せざるを云う。
— 高木敏雄 『比較神話学』 青空文庫
独神天地の初発の時、かぎりなく虚しき時、独神、成り坐しにけり。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫