薩
さつ
名詞
標準
文例 · 用例
富士の権現は信濃の国|浅間大神と、一神両座の垂迹と信ぜられていたところから、浅間菩薩ともいい、富士|浅間菩薩とも呼んだりしたが、本元の浅間山の方は、一の鳥居があるだけで、御神体は、山そのものに宿るとしてあるから、神社の鎮座がない。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
登龍門といふものは、ひとを市場へ一直線に送りこむ外面如菩薩の地獄の門だ。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
何かしら人の子ではなくて何かの菩薩のような気がする。
— 寺田寅彦 『ある日の経験』 青空文庫
仏教では彼岸の中日|時正の日で、一切の諸仏三世の諸尊および無数万億菩薩説法して衆生に楽しみを与うというので春分の時と同様|阿弥陀詣などをする。
— 寺田寅彦 『歳時記新註』 青空文庫
午後四時にはもう三代吉の父親の辰五郎が白米、薩摩芋、大根、茄子、醤油、砂糖など車に積んで持って来たので少し安心する事が出来た。
— 寺田寅彦 『震災日記より』 青空文庫
――ところで、生捉って籠に入れると、一時と経たないうちに、すぐに薩摩芋を突ついたり、柿を吸ったりする、目白鳥のように早く人馴れをするのではない。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
久留米か、薩摩か、紺絣の単衣、これだけは新しいから今年出来たので、卯の花が咲くとともに、お蔦が心懸けたものであろう。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
傘を拡げて大きく肩にかけたのが、伊達に行届いた姿見よがしに、大薩摩で押して行くと、すぼめて、軽く手に提げたのは、しょんぼり濡れたも好いものを、と小唄で澄まして来る。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫