先触れ
さきぶれ
名詞
標準
preliminary announcement
文例 · 用例
ゲーテのライネケフックスの訳本を読んで聞かせてくれたり、十歳未満の自分にミルの経済論、ルソーの民約論を教授してくれるという予告だけでもしてくれた楠さんは、たしかにその時代の新人であり、少なくも自分にとっては、来るべき「約束の国」の先触れをする天使の役をつとめてくれたように思われる。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
姉さんは姉さんゆえ、客に粗末の無いように、と先触れに駆込んだ処を、頭から喚き立てて、あの妓が呼吸を吐いて、口を利く間も措かず、立続けて饒舌るらしい。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
まるで何の先触れもなかったのである。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
眠れずに姉の恐ろしい最期が頭から離れずにいると、真夜中の静けさの中に、姉の死の先触れとなりましたあの低い口笛が聞こえたのでございます。
— THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND 『まだらのひも』 青空文庫
こんな天気になったから、先触れはあっても源氏は出かけて来ないであろうと宮は思っておいでになったのであるから、驚いて大門をおあけさせになるのであった。
— 朝顔 『源氏物語』 青空文庫
その声を聞くと、この雨でも上つたら、段々にじり/\暑くなつて来る先触れのやうにも想はれて、けたるい真夏の、やりどころのないやうな心持なぞも物寂しく待設けられた。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
│ └───────────┘ 会が終ってから、「一杯」出るという先触れがあったので、何時になく沢山の百姓が集っていた。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
脳貧血の先触れではないかと思うくらいだ。
— 海野十三 『人体解剖を看るの記』 青空文庫
作例 · 標準
桜の開花は、春の訪れの先触れだ。
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不吉な夢は、何か悪いことの先触れかもしれないと彼は思った。
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雷鳴が聞こえ、激しい雨の先触れを感じた。
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