会心の作
かいしんのさく
表現名詞
標準
work after one's heart
文例 · 用例
トマトはうまいな、いつ食べても、――会心の作が二句できた。
— 仙崎 『行乞記』 青空文庫
おそらく作者も会心の作ではなからうかと、想像するわけである。
— 牧野信一 『月評』 青空文庫
「くだらない出来がこれほどなら、会心の作というのはたいしたものでしょうね」とかなんとか。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
しかしきくところによると、本誌に発表されたものは、氏の最も会心の作だということである。
— 平林初之輔 『探偵小説壇の諸傾向』 青空文庫
額のかかっている応接間まで歩いて来られ、ラグーザ玉子が、老年なのに心から絵に没頭していて質素な生活に安らいでいることや、孝子夫人の心持をよろこんで、会心の作をわけたことを快よさそうに語られた。
— 宮本百合子 『白藤』 青空文庫
しかし、その大家は、過去の作品だからと言って、自分の作を軽々には取り扱わず、却って、「あれこそ、自分のもっとも会心の作」 であると言い切ったところに、この大家の偉さがあるのではないでしょうか。
— 上村松園 『旧作』 青空文庫
そして彼は私の手を執って、会心の作を得たことを悦び、私達のピエル・フォン生活の記念として私に贈った。
— 牧野信一 『ゼーロン』 青空文庫
P教授は到頭我慢し切れなくなって、最近の会心の作の前で、「この絵は如何でしょう」と聞いてみた。
— 中谷宇吉郎 『南画三題』 青空文庫