盛り蕎麦
もりそば
名詞
標準
文例 · 用例
もり蕎麦は、滝の荒行ほど、どっしりと身にこたえましたが、そのかわり、ご新姐――お雪さんに、(おい、ごく内証だぜ。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
特に「もり蕎麦」がネ。
— 桂三木助 『麺くひ』 青空文庫
モリソバを、背丈けだけ食べたと威張るあんちゃんと、大して変らぬ無邪気さである。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫
最初、法螺を吹く時の考えでは、なあに、こうしてフザケておいて、いざという場合になれば盛蕎麦の一つも振舞って追いかえせば済む――と、このくらいにタカをくくっていたのが、こうなってくると、盛蕎麦の一つや二つでは追っつかない、とにかく相当のことをしなければ、暴動が起る!
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
ある時は須磨寺に遊んで敦盛蕎麦を食った。
— 高浜虚子 『子規居士と余』 青空文庫
平次の口添で、ようやく出来た盛蕎麦を啜りながら、この浪人者は途方もない事を言うのです。
— 猿回し 『銭形平次捕物控』 青空文庫
須磨寺附近に、敦盛蕎麦や熊谷茶屋ができたのも、みな江戸時代の繁昌が生んだ名物だし、とにかく、一ノ谷城などという考え方の間違いから、いろんな誤解が生まれ、それへ名所名物のお負けがついて、なお分からなくなって来たものと思われる。
— 吉川英治 『随筆 新平家』 青空文庫