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成稿

せいこう
名詞
1
標準
文例 · 用例
・逢うて菜の花わかれて菜の花ざかり いちめんの菜の花の花ざかりをゆく さくらちりかゝる旅とたつたよ・旅もいつしかおたまじやくしが泳いでゐる  途上未定稿(作品そのものは――)未完成稿(芸術家その人は)旅やけ!
昭和十四年 旅日記 青空文庫
確かその春の卷だけは、未成稿のまゝ筐底に殘つてゐたやうに思つて、今度そこらを探しましたが、どうしても見付かりませんでした。
薄田泣菫 詩集の後に 青空文庫
そこで大いに慌てまして、ほかに数篇の未成稿が在るのにペンを突込んでみましたが、どれも、これも竹箒でドブドロ掻きまわすようにペン先が重たくなって、引っこみの付かない悪臭がプンプンと鼻を打って来るのです。
夢野久作 スランプ 青空文庫
小諸から『破戒』の未成稿を抱いて出京して来た島崎君のあの大久保の通りに面したトタン屋根の狭い二畳が浮び出して来る。
田山録弥 『蒲団』を書いた頃 青空文庫
明治十一年六月、おのが父にておはする人、七十八歳にして身まかられぬ、老い給ひての上の天然の事とはいへ、いまさらの事にて、哀しきことかぎりなし、今よりは、難義の教を受けむこともかなはずと思へば心ぼそし、辭書の成稿を見せまゐらせむの心ありしかども、そのかひもなし。
大槻文彦 ことばのうみのおくがき 青空文庫
書き損じの原稿は成稿した枚数よりもたくさんあって、芥川はそれを破棄しないで、重ねて机の端の方に置いてあった。
室生犀星 芥川の原稿 青空文庫
私は第一巻「母系制の研究」を出してから、第二巻「招婿婚の研究」に没頭し、まだ成稿の運びにいたっていないが、この招婿婚の問題にしても、考えさせられることが多い。
高群逸枝 女性史研究の立場から 青空文庫