恋い焦がれる
こいこがれる
動詞
標準
文例 · 用例
けれど、彼が成長して立派なとても美しい青年になった時、彼女は含羞むようになり、間もなく夢中になって恋い焦がれるようになった。
— ВОЛОДЯ БОЛЬШОЙ И ВОЛОДЯ МАЛЕНЬКИЙ 『大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ』 青空文庫
―――恋い焦がれるとはその時の私を云うのでしょう、私の胸には「会いたい見たい」の願いより外何物もありませんでした。
— 谷崎潤一郎 『痴人の愛』 青空文庫
恋い焦がれる市十郎なるが故に、夜も日も怨みに恨みつめなければ、それを胸に持てなかった。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
あんなに自分をしたう左膳の胸中は、つゆほども知らずに、悪魔的な源三郎を恋いこがれるなんて、人の心はどうしてこう食いちがうのでしょう。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
けれども、大浦先生に出鼻をくじかれて、あの先生と私との関係が今までもそういう関係なものですから、その惰性によって、たゞもう、ひそかに、ネチネチと思い屈し、恋いこがれるのみ、悲しい思いをしていたのです。
— ――ゴロー三船とマゴコロの手記―― 『ジロリの女』 青空文庫
「君の心を突然捉えたのは、フリーダに恋いこがれる気持かね?
— DAS SCHLOSS 『城』 青空文庫
つまりは誰かの希望のように、いたって確かな小農地主のできたことのみは事実で、ただそれまでに土地の所有に恋いこがれる者に、何とかして一反の金で二反の田を、持たせてやりたかったと思うのみである。
— 柳田国男 『雪国の春』 青空文庫
ことに地方の青年少女たちは、死ぬ程東京を恋い焦れると同時に、一日も早く『江戸ッ子』になりたがっているんだよ。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫