波瀾
はらん
名詞
標準
文例 · 用例
人情は飜覆して洞庭湖の波瀾に似たり。
— ――新曲聊斎志異―― 『竹青』 青空文庫
) 英国金融資本が、米国産業資本に強靭な波瀾をまきおこしたために、米国資本を背景とした商工都市大阪は、ウォール街を恐怖がおそうと同時に、赤鼻女の野暮なアメリカの衣裳をつけて財界の迷路に立った。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
三ツ巴の大波瀾を予期した江戸ッ児連が中村座に雪崩れ込んで…… =(F・I)芝居小屋 大人気大入の平土間。
— 山中貞雄 『中村仲蔵』 青空文庫
下界を見ると眼も眩むばかりで、限りなき大洋の面には、波瀾激浪立騷ぎ、數萬の白龍の一時に跳るがやうで、ヒユー、ヒユーと帛を裂くが如き風の聲と共に、千切つた樣な白雲は眼前を掠めて飛ぶ、實に悽愴極りなき光景。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
芳子から銀ちゃんへ電話が掛ったことを、もし坂野がその場で知ったら、どんな波瀾が起きるか知れたものではない。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
一方では季題や去り嫌いや打ち越しなどに関する連句的制約をある程度まで導入して進行の沈滞を防ぎ楽章的な形式の斉整を保つと同時に、また映画の編集法連結法に関するいろいろの効果的様式を取り入れて一編の波瀾曲折を豊富にするという案である。
— 寺田寅彦 『俳諧瑣談』 青空文庫
波瀾重畳がこの商買の常である。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
今この波瀾重畳険危な骨董世界の有様を想見するに足りる談をちょっと示そう。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫