何方
いずち
代名詞
標準
which way
文例 · 用例
仮りに何方かに決つた所でそれで何か出て来るといふわけのものでもありますまい。
— 中原中也 『近時詩壇寸感』 青空文庫
これは何も何方に近いから良いとか悪いとかいふのではなくて、尠くとも一般からは却て短歌より発展して出来たものとされてゐる新短歌が却てその精神に於て俳句に近いといふことを注意してみたかつたまでである。
— 中原中也 『新短歌に就いて』 青空文庫
――(独語つ)何方でもよかつたのに………。
— 中原中也 『夢』 青空文庫
「……フン、そりや彼奴の云ふのにも本当はある――」「けれどもだ、……けれどもそれでは此方が困る……」 そこへ、「何方にも一理ある場合は親の方を子は聴入れなくつちやァ不可ない」といふ、常々云つてる言葉が飜然浮ぶと、彼は解決を得た喜びに敷居の辺りを意気ある眼で睨んだ。
— 中原中也 『医者と赤ン坊』 青空文庫
母が心の何方に走れりとも知らで、乳に倦きれば乳房に顔を寄せたるまゝ思ふ事なく寐入し児の、頬は薄絹の紅さしたるやうにて、何事を語らんとや、折々曲ぐる口元の愛らしさ、肥えたる腮の二重なるなど、かかる人さへある身にて、我れは二タ心を持ちて済むべきや。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
若しやと思って女を呼んで、 「あれは何方様だい」と訊く。
— 山中貞雄 『恋と十手と巾着切』 青空文庫
』 これでは何方が病人か分なくなつた。
— 国木田独歩 『湯ヶ原ゆき』 青空文庫
雨が次第に強くなつたので外面の模樣は陰鬱になるばかり、車内は退屈を増すばかり眞鶴の巡査がとう/\『何方へ行しやいます。
— 国木田独歩 『湯ヶ原ゆき』 青空文庫
作例 · 標準
風の吹くまま、いずちともなく歩き続けた。
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「主君はいずちへ向かわれましたか。お姿が見えませぬが」
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都を追われ、いずちへ落ち延びるべきか途方に暮れる一行であった。
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音信不通となって久しいが、今はいずちの空の下で健やかに暮らしているのだろうか。
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