祝部
はふりべ
名詞
標準
文例 · 用例
右藤原行朝富士の根を山より上に顧みて 今こえかゝる足柄の山左 勝祝部成茂足柄の山路の月に峯越えて 明くれば袖に霜ぞのこれる右は、東海道中數日相親みし富士に別れて、足柄峠を下らむとする情景、げにさもあるべけれど、左の、霜に明月の名殘をとゞめたるが、すが/\しく感ぜらるゝ也。
— 大町桂月 『足柄の山水』 青空文庫
或は支那漢代の瓦器や日本の祝部土器等を例に引用しないとも限らないが、先づ「釉のある燒物」を主題にしてゐることをはつきりしておきたい。
— 小野賢一郎 『やきもの讀本』 青空文庫
さうした過去へ、一挙に我々の想像を誘ふのは、斉明紀に見えた「村々の祝部」と言ふ語である。
— 折口信夫 『万葉びとの生活』 青空文庫
文献に照して見ても、禰宜は、祝部よりは遅れて出来た職名であるらしい。
— 折口信夫 『万葉びとの生活』 青空文庫
村の主長なる国造は、既に神事に与ること尠く、実務を祝部に任せる方に傾いてゐたらしい。
— 折口信夫 『万葉びとの生活』 青空文庫
神職と言へば祝部を思ふ程、此職名の出てゐるのは、為事が岐れはじめて来た事を示すのである。
— 折口信夫 『万葉びとの生活』 青空文庫
列座の人々が、宮廷に侍る皇族・官吏などの場合と、地方の旧族の代表者を意味する大社の神職――神主・祝部――であることとの区別があるだけである。
— 折口信夫 『日本文学の発生』 青空文庫
元、此祝詞を唱へる儀式には、大社の神官列席して、官幣と祝詞とを頂いて、其社に還つて、其宮廷祝詞を奏することになつて居たのだが、祭日にも、其社の神官至らず、宮廷においてたゞ、その旧儀が行はれ、神主祝部を呼ぶ形式の語があつたに過ぎぬのである。
— 折口信夫 『日本文学の発生』 青空文庫