絶崖
ぜつがい
名詞
標準
文例 · 用例
けれども、わずかに一町ばかり、はやく絶崖の端へ出て、ここを魚見岬とも言おう。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
小男の頭は、この絶崖際の草の尖へ、あの、蕈の笠のようになって、ヌイと出た。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
岬頭から右に恋路ヶ浦を伝つて行くと、その長い砂浜は漸く尽きて、小さな絶崖の砕けて海中に落ちてゐるさまが次第にその前にあらはれて来た。
— 田山録弥 『伊良湖岬』 青空文庫
水は國道の絶崖に偏りて、其處に劒の如く聳立せる大岩に衝り、その飛沫の飛散する霧のごとく烟の如し。
— 田山花袋 『秋の岐蘇路』 青空文庫
加ふるに絶崖の罅隙を穿ちて※々深潭に落下する一小瀑あり。
— 田山花袋 『秋の岐蘇路』 青空文庫
瀧は左の絶崖に懸りて、高さ大凡三十餘丈にも及ぶべく、岩茸石は右岸の水中に屹立して、恰も仁王の立てるに似たり。
— 田山花袋 『日光山の奧』 青空文庫
前に述べた絶崖の間から、たれ下る大小の氷河の、最も盛んなのは、モン・ブロンの頂上から真北に落ちる二条の、近いボッソンとタコンナの氷河であった。
— 辻村伊助 『スウィス日記』 青空文庫
鋭い絶崖の右左に開いた谷の、南には、グラン・サン・ベルナール Grand St. Bernard への岐れ路マルティニ Martigny、更らにウィルツシトゥルーベル Wildstrubel の直下、ロイケルバートの分岐点ロイク Leuk。
— 辻村伊助 『スウィス日記』 青空文庫