本水
ほんみず
名詞
標準
文例 · 用例
空に一本水平に綱が張ってあるその上を玩具の馬のようなものが渡って行く。
— 寺田寅彦 『御返事(石原純君へ)』 青空文庫
一本二銭の水仙が三輪開いた、日本水仙は全く日本的な草花だと思ふ、花も葉も匂ひも、すべてが単純で清楚で気品が高い、しとやかさ、したしさ、そしてうるはしさを持つてゐる、私の最も好きな草花の一つである。
— 三八九日記 『行乞記』 青空文庫
水仙を活ける、ことしはあたゝかいので早く蕾をもつた、私は日本水仙の清純を愛する、色も香も気高い。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
干潟の前方は、一面の本水で、それが花道の切幕際にまで続き、すべてが、先代右団次そっくりの演出であった。
— 小栗虫太郎 『人魚謎お岩殺し』 青空文庫
と、抜打ちに死骸に切りつけると、大ドロあって、浪幕の間より、代りの戸板が差し出されて、骸骨を載せたまま、本水の中を花道指して流れ行くのであった。
— 小栗虫太郎 『人魚謎お岩殺し』 青空文庫
「つまりなんでさあ、本水口に使うのと、お岩を入れるのと、杉戸が二枚いるんですよ。
— 小栗虫太郎 『人魚謎お岩殺し』 青空文庫
前に引き入れておいた、もう一つの杉戸に、骸骨を引っ掛けて、それを本水の中に、押し出したのですよ。
— 小栗虫太郎 『人魚謎お岩殺し』 青空文庫
最初、塩化鉄で練り固めた刃物を使って、頸動脈を刺し貫き、その上二つの杉戸を取り違えさせて、逢痴の死体についている方を、本水の中へ押し出してしまった。
— 小栗虫太郎 『人魚謎お岩殺し』 青空文庫