山入り
やまいり
名詞
標準
文例 · 用例
もっともこの松山入りは学費の関係からでもあった。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
一時世の中がラジウムばやりだった頃、憑ものがしたように賑ったのだそうですが、汽車に遠い山入りの辺鄙で、特に和倉の有名なのがある国です。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫
その間に、左近を初め、その他の女が澤山入り代り、立ち代り、やつて來て、叮嚀らしい挨拶をしながら、義雄の顏を見て行く。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫
ともかくも古来有名な物になって居りまして、かの頼光の大江山入りなども恐らくこれが粉本であろうと思われますから、事実の有無を問わず、ここに紹介することに致します。
— 白猿伝・其他 『中国怪奇小説集』 青空文庫
定重 これからすぐに高野へ山入りとな。
— 岡本綺堂 『佐々木高綱』 青空文庫
戦国の世は、日本同士の戦争であるから、スパイは、敵にも味方にも沢山入り混っていたわけだから、元就のこういう後悔はすぐ敵方へ知れるわけである。
— 菊池寛 『厳島合戦』 青空文庫
そこへ前の仲間が來て、組合や黨の事務所には私服が澤山入りこんでゐて危いことを知らせてくれた。
— 小林多喜二 『一九二八年三月十五日』 青空文庫
茅野の駅に下りて、まだ夜の明けたのを知らない静かな街道を一人トボトボ歩いていると、初めての冬山入りの淋しさがしみじみ身にしむ。
— 加藤文太郎 『単独行』 青空文庫