業々
業々
名詞
標準
文例 · 用例
サーヴィスが良過ぎるのか、わざと業々しくするのか判らない田舎旅館の朝飯を済ましまして、私たちは呼んで置いて貰った自動車で出発いたしました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
」 言いようが余り業々しいので、取合う気もなかった婆さんも近々と目を寄せて、「頭、こりゃ今の流行かい。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
ところが勃凸は一切お構ひなしに、又仲間が集まつて来たとでも思つたらしく、羽織つたマントの端をくるつと首のまはりに巻きつけて、伊太利どころの映画の色男をまねた業々しい身振りで、右手で左の肩から膝頭へかけてぐるつと大きな輪をかいて恭しい挨拶をした。
— 有島武郎 『骨』 青空文庫
彼は業々しい自分の扮裝に恥ぢて躊躇しつゝ案内を請うた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
それを一寸甞めて、大きな秘密のように業々しく胸へ抱き込むと、私は又娘の家へ近寄った。
— 松永延造 『職工と微笑』 青空文庫
紫の室と云うのはヒステリー患者を治すために院長が業々造ったものであって、その中央に小さな噴水の出来ている静かな落ち着のある室であった。
— 松永延造 『職工と微笑』 青空文庫
先日もボストンの市街を大勢の軍隊が業々しく練り歩いた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
正月の終りの時分になると、大抵の札はつぎ目がついて、布のやうな手触りになる、握むと綿のやうに手の平にかくれてしまふ、業々しく手の甲に繃帯を巻いた娘や、鼻側に絆創膏を貼つた男などが大手を振つて繰り込んで来た。
— 牧野信一 『昔の歌留多』 青空文庫