穂麦
ほむぎ
名詞
標準
文例 · 用例
腥くさきオゾンのにほひ雫する穂麦のしらみ、今裂けし欅の大木燥るがごと疼くいたでに脂黒くしたたるみぎり、油蝉ぢぢと鳴き立つ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
刈麦の穂麦は伏せて、畝竝にさららと置きぬ。
— 北原白秋 『白南風』 青空文庫
穂麦の芳しい匂がした。
— 国枝史郎 『大捕物仙人壺』 青空文庫
桑の実の木曾路出づれば穂麦かな けふより美濃路に入る。
— 正岡子規 『かけはしの記』 青空文庫
丈高い穂麦の間を歩く時、二人は手を緊く握り合ってつないでいた。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
穂麦に交じつた矢車の花。
— 芥川龍之介 『長崎』 青空文庫
畠には四十に近い女が一人せっせと穂麦を刈り干している。
— ――或シナリオ―― 『誘惑』 青空文庫
されば「さんた・るちや」の前に居並んだ奉教人衆は、風に吹かれる穂麦のやうに、誰からともなく頭を垂れて、悉「ろおれんぞ」のまはりに跪いた。
— 芥川龍之介 『奉教人の死』 青空文庫