舎相
しゃしょう
名詞
標準
文例 · 用例
永楽帝既に崩じ、建文帝|猶在り、帝と史彬と客舎相遇い、老実貞良の忠臣の口より、簒国奪位の叔父の死を聞く。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
道節を除いては、小文吾が曳手・単節を送って途中で二人を乗せた馬に駈け出されて見失ってしまったり、荒野猪を踏み殺して牙に掛けられた猟師を助けたはイイが、恩を仇の泥棒猟師の女房にコロリと一杯喰ってアベコベにフン縛られる田舎相撲らしい総身に知恵の廻り兼ぬるドジを時々踏むほかは、皆余りに出来過ぎている。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
和蘭人は如何しても日本人と縁が近いので、その医者が艦長の木村さんを招待したいから来て呉れないかと云うので、その医者の家に行た所が、田舎相応の流行家と見えて、中々の御馳走が出る中に、如何にも不審な事には、お内儀さんが出て来て座敷に坐り込んで頻りに客の取持をすると、御亭主が周旋奔走して居る。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
都貌あり、田舎相あり、髯あり、無髯あり、場馴れしあり、まごつくあり、親しきは亭主夫婦と握手して、微笑してかはす両三言、さもなきは小生と同様|澄しかへつた一|点頭、内閣大臣、外国公使等身分高きは右なる特別室に、余は左なる喫煙室婦人室にそれ/″\入り行く。
— 徳富盧花 『燕尾服着初の記』 青空文庫
ははあ――興行だな、芝居ではない、相撲だな、この景気で見ると、まんざら田舎相撲とも思われない、江戸か上方、いずれ大相撲の一行が、この辺で打っているのだな―― まもなく、櫓太鼓の勇ましい音。
— 年魚市の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
この浦にも、田舎相撲の関取株も来ているが、どうも、このマドロス君の手に立つのはないらしい。
— Ocean の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
此の相撲場は細川越中守様御免の相撲場ということで、木村權六という人が只今|以て住んで居ります、縮緬の幕張りを致して、田舎相撲でも立派な者で近郷からも随分見物が参ります、此処に参っている関取は花車重吉という、先達私古い番附を見ましたが、成程西の二段目の末から二番目に居ります。
— 三遊亭圓朝 『真景累ヶ淵』 青空文庫
一人は四十五六の田舎相撲のような恰幅のいい眼玉の大きな男、一人は五十ぐらいの塩の勝った胡麻塩の髪を雀の巣のように取乱したあるかなしかというような小柄な人物。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫